寒い朝、愛犬の歩き出しがぎこちない?10月から気をつけたい足腰のこわばりと、散歩前のウォームアップ・室内の滑り対策
蝦名 美樹
10月に入り、十和田も朝晩はぐっと冷え込むようになりました。朝の散歩で吐く息が白くなる日も、そう遠くはなさそうです。
この時期になると、飼い主さんから「朝起きたときの立ち上がりがゆっくりになった」「散歩に出てすぐは、歩き方がぎこちない」というご相談が増えてきます。少し歩くといつもどおりになるため、「年のせいかな」「寒いからかな」と見過ごされがちな変化です。
私自身も犬と暮らしているので、寒い朝に愛犬がのそのそと起きてくる姿を見ると、つい気になってしまいます。今回は、寒い季節に足腰がこわばりやすい理由と、ご自宅でできるケアについてお話しします。
寒くなると、愛犬の足腰がこわばりやすい理由
1. 冷えで筋肉が硬くなりやすい
人と同じように、犬も寒さを感じると体を縮め、筋肉に力が入りやすくなります。特に寝起きは体が温まっていないため、関節まわりの動きが硬くなり、最初の数歩がぎこちなく見えることがあります。
2. 寝ている時間が長くなる
寒くなると、丸くなって寝ている時間が増える子も多いです。同じ姿勢が長く続いたあとは、体がこわばった状態から動き出すことになるため、立ち上がりに時間がかかりやすくなります。
3. 室内で過ごす時間が増え、床で滑りやすくなる
秋から冬にかけては、外より室内で過ごす時間が長くなります。フローリングの床は犬の足が滑りやすく、踏ん張るたびに足腰に余計な力が入ります。シニア犬や、膝蓋骨脱臼(パテラ)・椎間板ヘルニアが心配な子にとっては、特に負担になりやすい環境です。
散歩前にできる、やさしいウォームアップ
室内で少し歩いてから出かける
玄関を出ていきなり走り出すのではなく、室内で2〜3分ほどゆっくり歩かせてから散歩に出るのがおすすめです。おもちゃで軽く誘導してあげるのも良いでしょう。
手のひらで体を温めるようになでる
散歩の前に、背中から腰、太ももにかけて、手のひらで包むようにゆっくりなでてあげてください。強く押したりもんだりする必要はありません。「温めてあげる」くらいの気持ちで、やさしく触れるのがポイントです。愛犬が嫌がるときは無理に続けないでください。
散歩の最初はゆっくりペースで
歩き始めの5分ほどは、においを嗅がせながらゆっくり歩き、体が温まってきたらいつものペースに戻しましょう。寒い日は、日が昇って少し暖かくなってから出かけるのもひとつの方法です。
室内でできる、滑り対策と環境づくり
よく歩く場所に滑り止めマットを
フローリングの上に、滑り止めのマットやカーペットを敷いてあげると、足腰への負担を減らしやすくなります。特に、寝床から水飲み場、ごはんの場所までの「よく通る道」を優先するのがおすすめです。
足裏の毛と爪をこまめにチェック
肉球のまわりの毛が伸びていたり、爪が長くなっていたりすると、床で滑りやすくなります。月に一度は、足裏の毛と爪の長さを確認してあげてください。
段差の上り下りを減らす
ソファやベッドへの飛び乗り・飛び降りは、腰や膝に負担がかかりやすい動作です。スロープやステップを置いたり、抱っこで上げ下ろしをしたりして、なるべく段差を減らしてあげましょう。
寝床は床の冷気から離して
床に直接寝床を置くと、冷気で体が冷えやすくなります。厚みのあるベッドやマットを使い、窓際など冷えやすい場所を避けてあげると安心です。
すぐに動物病院を受診してほしいサイン
次のような様子が見られたら、ご自宅でのケアや整体よりも先に、まずかかりつけの動物病院を受診してください。
急に後ろ足に力が入らなくなった、立てなくなった
体を触ると鳴く、強く痛がる
足を地面にまったく着こうとしない
おしっこが出ない、または漏れてしまう
ふらつきと一緒に、ぐったりしている・吐いている
椎間板ヘルニアなどは、早めの診察が大切になる場合があります。「様子を見よう」と迷ったときこそ、まずは獣医師に相談してください。
犬専門整体 Ohanaから
寒い朝の歩き出しのぎこちなさは、愛犬からの小さなサインかもしれません。毎日一緒にいる飼い主さんだからこそ気づける変化を、どうか大切にしてあげてください。
当院では、獣医師の診察を受けたうえで「普段のケアをどうしたらいいかわからない」「年齢とともに歩き方が気になってきた」という飼い主さんと一緒に、愛犬の体の状態や暮らしの環境を見直すお手伝いをしています。院内は高低差の少ない設備で、ほかのワンちゃんと顔を合わせない空間を用意していますので、怖がりな子や大型犬の子も安心してお越しください。
「まだ相談するほどではないかも」という段階でも構いません。十和田の長い冬を、愛犬が少しでも快適に過ごせるよう、一緒に考えていきましょう。
